世界

FVIとの協力関係の中で、海外パートナー団体が行っているプロジェクトをご紹介します。

006 南アジア バングラデシュ

抑圧された人々、ダリットたちの尊厳回復プログラム 南アジア インド 北部 最貧構想としてあえいでいるダリットの人々。自信と尊厳を失っている彼らと関わり。全ての人を等しく大切にするという愛の世界観によって次世代の人々を育成するラムスラットさんたちの働きを紹介します。

2015年3月

2014年を振り返り、2年目の2015年が始まって

2014年、国民一人当たりの年間総所得がついに念願の千ドル(約15万円)の大台に乗ったバングラデシュで、「声なき者の友」の輪は、「新しい生き方」を歩み始めた人々が隣人を包括的に愛する実践に生き、地域の核となるように研修を施し、その人々が励ましあう場を提供するパートナー団体と21世紀の課題に共に取り組む協力を開始した。

その2014年後半に突然、過激派組織「イスラム国」がインターネットで世界の若者を巻き込み、残虐な手法を用いてシリヤと北イラクの広範な地域を制圧し、世界を驚かせた。2015年に入り、世界各地でイスラム過激派のテロ活動はますます活発になり、さまざまなイスラム過激派の活動はアメーバ状に世界中に拡散している。イスラム社会、そして世界の若者が巻き込まれる一因として、教育の恩恵を受けてもグローバル化の負の側面から仕事につけない若者たちが増え、貧富の格差をより敏感に感じ、不満が鬱積しているという報告が聞かれる。この結果、彼らは、反対派を抹殺し社会を破壊してでも原理主義社会樹立を目指す過激思想の指導者たちに誘われ、戦闘員やテロリストに仕立て上げられてしまう。「武力による破壊と混乱」という社会の再貧困化に危機感を覚える時代がすでに来ている。

より強大な武力で報復してきた結果が、さらにテロを生み出したイラクの今の姿であることを思うとき、「新しい別の生き方」をする人々は待ったなしで求められている。この時代に「別の生き方」として「隣人を愛するという生き方」を選び、地域に仕える人を養うバングラデシュのパートナーと協力することは、私たちにとっても大切な学びとなることだろう。


2014年に日本からの協力で研修を受けたジャハンギール氏は次のように語った。「私はすべての人がこれほど大切な存在だということを始めて知ったように思います。私もそのように大切にされ、愛されていることを知りました。人類すべては、どの民族もかけがえがないほど愛されている。このことを知った者として生き、そのことを他の人に分かち合いたいです。」

2015年始めには、日本の協力で始めての試みとして、数十人の卒業生や在学生を対象に「しもべとなる指導者セミナー」が行われた。
(写真左:「しもべ」の実例をグループ寸劇中)
バングラデシュの状況に精通する現地団体のパートナー代表が「この時代に最も必要なもの」と提案したセミナーである。「隣人を愛する」行動は、この文化の価値観を超えて「自分を差し出して仕える」姿であることを生涯かけて取り組んでほしい、という。代表自身が、失敗もしながら取り組み続ける「仕える生き方」。今回の参加者が地元に戻って取り組んだことを紹介・報告するような次年度のセミナーにしたいと、代表は今から希望を語ってくれた。

小さな種まきとして「別の生き方」を紹介し続ける。この時代だからこそ、とても大切なことが始まっている。

 
ご協力される皆さまへ

この働きにご協力の思いが与えられた方々は下記メールアドレスの「声なき者の友」の輪までご連絡ください。