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ネパール大地震 復興中 2015年7月

ビジョン・ネットワーク・ネパール(Vision Network Nepal)からの報告。

2015年4月25日にマグニチュード7.3の大地震がネパール中部を襲いました。この地震による被災者はネパールの人口3分の一の800万人に及ぶと言われています。聖書に基づく隣人愛でネパールの教会が連携したビジョン・ネットワーク・ネパールからの報告です。

首都カトマンズから北東に75キロ離れたシンクレ村

大地震1週間後の5月初めには、首都カトマンズから北東に75キロ離れたシンクレ村にたどり着くのに5時間以上もかかりました。ここでは70戸の家が倒壊していました。ビジョン・ネットワーク・ネパールでは、この村で倒壊した家のためにトタン屋根を提供することにしました。

このグループでは、地震直後、被害が少なかった人々がまず出せるものやお金を出し合い(平均月収約8千円の国で総額9万7千円になったそうです)、できるところから困窮する被災者の人々に必要な物の援助を始めました。
5月第一週からは、海外からの協力を得て、いくつかの地域にチームを派遣してきました。一つのチームは、カトマンズから離れ、多くの家が壊れ、支援が届いていない三々五々に散在する村々を訪問し、乾燥米、豆、ビスケットなどの緊急食料、水、毛布、テントなどの援助品を配布しました。多くの村人の家が壊れ、支援もまだ届いていなかった山間部のカウル村では、6トンのお米と62個のテントを配布することができました。
地域リーダー達と地元の教会が協力して、5週間で70の家を建てる計画を立てました。彼らは5家族ごとに相互援助のチームを作り、各家族から一人をチームに派遣し、このチームで5家族の家の建設に携わることを提案しました。この点愛を受け入れた村人たちは、1週間に一つの家のペースで完成させることができ、5週間で5家族すべての家を建て終えることができたのです。それは、ちょうど6月半ばで雨期が始まるところでしたので、素晴らしいタイミングでみなの家を完成することができたのです。

こうして、物理面だけでなく、魂も新しくされた地域社会が誕生しました。村人の多くが、外部の人たちが自分たちのことを、なぜこれほどまでで心にかけてくれるのかを、その愛の源を知るようになったのです。

彼らはさらに、80の家を建設しようと計画をしています。というのは、以前は一つの家に親戚も含めて2-3家族で暮らしていたからです。けれども、大地震後、新しい場所に移り建てた家は、以前に比べてかなり小さいものでした。このため、それぞれの家族が別々に住んだほうがいいと考えたのです。

このグループでは、地震直後、被害が少なかった人々がまず出せるものやお金を出し合い外から手伝いに入ったネットワークのメンバーは、この村の支えあいの姿勢に、とても感銘を受けました。そこで、80戸の家の建設も応援することにしました。 この村が、ネパールの村々にとってモデルになったら、と願いを与えられたということです。

首都カトマンズから135キロ南東のベラニ村

カトマンズから135キロ南東のベラニ村にも支援に向かいました。ここでは、76家族が住んでいました。そのほとんどの家が倒壊していました。にもかかわらず、この村の人々は行政から何の支援も受けていませんでした。行政はこの村を後回しにしたのです。なぜなら、この村の住民が不可触民のダリット層の人々だったからです。

そこで、近隣のサルラヒ村の教会の人々が、ベラニ村の村人に蚊帳や薄いマットレス、防水シートなどを分けて助けたのです。ベラニ村の人々はネットワークの外部からの支援者に言いました。
「私たちが不可触民のダリットだから、教会の人たち以外は誰も助けに来てくれないんです。」

ベラニ村の人々の話を聞き、早急に家を建て直したいという彼らのやる気を見て、この村にも支援を行うことに決め、トタン屋根を提供することにしました。

首都カトマンズから北へ50キロのバカリダダ村

首都カトマンズから北へ50キロのバカリダダ村は、最も被害が大きい地域の一つでした。
首都からそれほど遠いわけではないのに、数々の地すべりで、道路は壊れ通行止めになったために、外界と遮断された状態が長く続きました。

ネットワークのチームが、この地域まで、とても危険な道のりを、いつもよりはるかに長い時間をかけて登りました。5月にはなんとか、食べ物と数戸分のトタン板を届けることができました。

6月に再び、村を訪問し、今度は地域の指導者たちと時間をかけて話し合いました。そのときでも、行政からの支援はなかったとのことでした。けれども、村人たちは自分たちの中でもっとも必要を抱えた人にネットワークが支援したトタン板を提供し、仮設の家を建ててあげていました。

ネットワークから、相互協力自助チームを作ったシンクレ村のやり方を伝えました。すると、彼らは「ぜひ、私たちもそのようにしたい。ただ、トタン板を提供して欲しい」とこの考えを受け入れたのです。

この村には102家族が暮らしているとのことでしたので、雨期にかかっていすが、トタン板を7月中に搬入し、相互協力自助チームで家を建てようとしています。

アーカイブ archives

  1. プログラム概要
  2. 進捗レポート
  3. 報告1 2015年6月
  4. 報告2 2015年7月